第31章 エルダーフラワーかローズか否か
オーケストラに在籍している話は知っていたが、初めて聞くもう一つの予定に、服を物色する手を一度止めて、椛の方に視線を向けた。
降谷「クレーシュミレーター?
椛はクレー射撃をするのか?」
椛「ううん、実際にはクレー射撃した事ないよ?
シュミレーターだけ。」
降谷「…どういう事だ?」
椛「黒田さんに射撃の訓練つけてもらうってなっても、毎日じゃないし。
出来るだけ早く射撃の腕、身に付けた方がいいと思って。
何か普段、自主練的なこと出来ないかな?って色々考えた結果…
そこに辿り着いた。
黒田さんには私がクレーの練習始めた事、もちろん最初から言ってあるけど、『安室さん』含めて他の人には知られたく無かったから…
クレーに行く時と、黒田さんの所行く時は『尾行』まいてたの…
けど、もう協力者だと零にバレたから…
だから今、初めて言った。」
彼女の言葉に、今まで疑問に思っていた事が色々繋がったのか…
降谷「やはり君は、尾行に気付いて意図的にまいてたのか…
いや…
報告を聞いていて、そうだろうなとは以前から思ってはいたが…」
『スッ』っと少し冷静な表情を浮かべて、彼女を見つめる。
『これが公安の時の降谷零なんだな』と、椛は感じた。