第31章 エルダーフラワーかローズか否か
降谷「じゃあ代わりに、今日椛が着る服は俺が選ぶぼう♪」
椛(えっ?)
まさかの降谷からの新しい提案の流れに、目を見開く。
取った彼女の手はそのままに、クローゼットの前まで2人でやってきて、扉の前で立ち止まる。
降谷「開けてもいいかい?」
流石に勝手に開けるのは失礼かと思ったのか、一言断りを入れる彼。
椛「別に構わないけど…」
その言葉を確認すると、クローゼットのドアノブに手をかけて扉を開く降谷。
降谷「思いの外、持っている服…
少ないんだな。」
椛「えっ?
そうかな??」
降谷「椛はオシャレさんだから、もっともっと沢山待っているのかと思っていた。
着まわしが上手いんだな…」
そう言ってハンガーにかかる服を手に取って確認している。
どうやら本当に、今日着る服を選ぶつもりのようだ。
そんな彼の横顔を確認すると、嬉しそうに笑顔を浮かべつつも、真剣さが伝わる表情に、どんな服を選ぶのか興味が湧いてきた椛。
せっかくだから彼に任せてみようかと思い…
椛「零?
本当に服選ぶつもりなら、動きやすい服装にして?
今日、私の外の予定、
クレーシュミレーターの練習と、オーケストラの練習に行くの。」