第31章 エルダーフラワーかローズか否か
降谷「じゃあお言葉に甘えて、先に浴びるよ。
本当はまた、一緒に浴びたいところだけど♪」
彼も彼女の頬に一度口付けを落とすと、抱きしめる腕をほどいて体を起こした。
椛「一緒に入ったら、また時間かかっちゃうよ。」クスクス
起き上がり、ベットのふちに腰掛けている彼の事を、布団にくるまりながら見つめる。
彼女を見下ろしていると、布団を剝ぎ取り、また腕の中に仕舞い込んで、ベットに体を沈めたい衝動に駆られるが…
気を鎮めようと、彼女の頭に手を添えて、頭を一撫ぜすると、未来の約束を口にした。
降谷「やはり今度…
貸切露天風呂付の温泉宿に、2人で泊まりに行こう♪」
椛「ふふふ。
はいはい♪」
後ろ髪を引かれる思いを断ち切るように、ベットから腰を上げて立ち上がると、彼女の唇に軽く口付けを落としてから、シャワーを浴びに寝室から出て行った。
そんな彼をベットから見送ると、床に落ちているワンピースを拾い上げて羽織り、椛もベットから起き上がる。
ベットから抜け出ると、横になっている時には気にならなかったが、腰に少し気怠さを感じた。
腕を上に上げて身体を伸ばすと、昨夜の余韻が残るシーツとカバーを剥ぎ取る。
それらをまとめて抱えると、昨夜からのタオル類もすべてまとめて洗濯機に入れ、スタートボタンを押した。