第30章 ティラミスの行方
思う存分湯船に浸かり、入浴を済ませると、タオルドライをして髪を乾かそうとドライヤーを手に持つ。
髪を乾かし終わり、櫛で髪を整えているとインターフォンが鳴った。
椛(ん??
思っていたより早いな。
ちゃんと法定速度守ってたのかな…)
思いの他、早く鳴ったインターフォンの音に、ちょっと失礼な事を思っている彼女。
オートロックを解除し、玄関の扉を開けに行くと、そこには一昨日振りの降谷の姿。
降谷「ただいま、椛♪」
椛「おかえりなさい、零…
その格好…」
玄関に、足を踏み入れた降谷の姿を凝視する椛。
着替えてこなかったのか、そのままテニスコートからきた様な彼の姿。
初めて見るテニスウェア姿の降谷を、上から下までまじまじと見ている。
降谷(はははっ!
今日も凄い見られてるなw)
降谷はハグをしようとしていたが、彼女のその様子を見て、玄関の扉を閉めると、満足ゆく迄眺めさせる事にしたのか…
そのままそこに立ち尽くし、椛が言葉を放つまで待つ。
しかし、いつまで経っても言葉を発さずに、そのまま見続ける彼女に痺れを切らして、声をかけた。