第30章 ティラミスの行方
椛(ただいま~。
今日もお疲れ私♪)
自宅に帰ってきて玄関の扉を開けると、荷物を持ってそのままリビングに向かう。
荷物は帰ってきたらすぐに片づけたい為、いつも帰宅するとそのまま、講座で使った荷物を片づけていく。
手慣れたもので、5分程ですべての機材が収納に収まると一息つく。
時計に目を向けると、時刻は18時を過ぎた辺りだった。
椛(零が来るまで、早くてもあと1時間半か。
思ってたより今日時間あるな…
このまま事務作業しようかな~
いや、ご飯も食べてお腹いっぱいだし…
先にもうお風呂入ろうかな…
ゆっくり湯船浸かりたいしな…
そしたら先にお風呂だな♪)
お湯張りボタンを押すと、湯船の準備を待っている間、ソファに腰を下ろし、今日の事務作業をこなしていく。
お湯張りが完了したコールを確認すると、すぐさま作業の手を止めて、着替えを持って浴室に向かった。
椛(はぁ~!
極楽極楽♪
湯船最高過ぎる…)
思い切り足を延ばして湯船に浸かる。
これだけで、1日の疲れが全て吹き飛ぶような気持ちがするのだから、お湯の力は偉大だ。
つい先日まで『入浴はシャワーのみ』と言われていた為、
入浴が解禁されてからというもの、
『お湯に浸かる有難み』を日々感じている椛だった。