第30章 ティラミスの行方
椛(康彦さん、素敵旦那すぎる…
紳士…
紳士的だわぁ〜…
やっぱり良い女には良い男が付くんだな…
藍子さん良い女だもんなぁ〜
人望もあって、いつも明るくて親しみやすくて、一生懸命だしな。
神原家に来るといつも心が暖まるというか…
なんというか、2人見てると癒されるんだよなぁ〜
そうそう、癒されるのよ、私はいつもこのお宅で♪)
寿司桶を持った2人がリビングに戻ってくると、テーブルにセッティングして、今後の講座の相談をしながら3人でちょっと早めの夕飯を頂く。
食事をし始めてから30分程した所で、椛のスマホが光る。
画面を横目で確認すると、メールではなく電話の方だった。
食事中に悪いと思い、後で折り返そうと、画面を伏せて空いている椅子の上に置くが…
藍子「椛さん、電話じゃないの?
出ていただいて構わないわよ?」
藍子の言葉に、ダイニングテーブルの向かいに座る藍子に視線を向ける。
隣にいる康彦も、藍子同様『どうぞ』と言うように頷いていた。
悪いとは思ったが、このまま出ないと逆に2人が気を使うと思い…
椛「すみません、ありがとうございます。」
椛はコールボタンを押すと、少し小さめの声で電話口を出た。