第30章 ティラミスの行方
講座の時間はスタートすると、いつもあっという間に過ぎる。
今日の講座受講者は藍子を入れて8名。
1人ワンホールお持ち帰りなので、それぞれが作ったケーキと、椛が用意した試食用のケーキが2ホールある為、ダイニングテーブルには計10個の完成したケーキが並べられていた。
今日はティラミスと言ってもイチゴのティラミス。
これだけ個数が並んでいるだけでも圧巻だが、イチゴの赤と、葉の緑が良いアクセントになっていて、写真に収めるとよりより映えた。
「椛先生?
先生が作った、この緑の粉がかかっている方は抹茶パウダーですか?」
10個並んでいるうちの9個は同じ、イチゴのティラミスのホールだが、明らか一つ違う粉がかかっているホールが一つ。
椛「今日皆様に作っていただいたのが、基本のレシピなのですが、これはアレンジレシピで、作ってきました♪
抹茶と栗のティラミスです。
是非、味くらべをして頂きたいと思いまして。」
「えぇ!!」
「抹茶好き!!」
「栗好き!」
「絶対美味しい組み合わせじゃないですか!」
椛の言葉に、更にテンションが上がる皆。