第30章 ティラミスの行方
椛「何言ってるんですか!
藍子さんも康彦さんも、まだまだお元気じゃないですか!
それに康彦さんの数値も安定してきたんですよね?
一緒に美味しいものをこれからも沢山、頂きましょうよ!」
椛の言葉に藍子は何かを思いだしたように『ハッ』とした表情を浮かべると、一度キッチンから出て行く。
リビングにある棚から引き出しを引いて紙を一枚取り出すと、キッチンの中にいる椛に見えるように手渡す。
藍子「そうなの!
それがね!
次、椛さんとお会いするときにお見せしようと思っていたんだけど、これ!
先週病院行ってきた時の検査結果なんだけど、もう薬飲まなくて良いって!
全て正常値に収まったのよ!
凄くない!?」
藍子から手渡された紙は、康彦の検査結果通知表。
椛はその紙をしばらく眺めて、下まで確認すると…
椛「そうですね、すっかり健康体ですね♪
思ったより早かったですね。
おめでとうございます!」
椛は検査結果通知表から目を離すと、藍子に向かって微笑みかけた。
藍子「これも全部、椛さんの指導のお掛けよ!
本当にありがとう!」
椛「いえいえ、私はそんな大したことはしてませんよ。
藍子さんと康彦さんがちゃんと実践した努力の賜物ですよ♪」