第30章 ティラミスの行方
優しくも、よく人を見ている藍子ならではの言葉だった。
出会ってから日はまだ浅いが、椛の事を良く理解している言葉だった。
椛「分かりました、ありがとうございます。
以後気を付けます♪」
椛の返事に安心したのか、お互い顔を見合わせて微笑み合った。
藍子「傷跡が大きく残らなそうで良かったわね。
怪我なんてないに越したことないけど…
安室さんも、心配してたでしょ?」
会話に加わる新たな登場人物。
藍子の中ではもう2人はセットなのか、会話の中に毎回必ず出て来る事がもうお決まりになっていた。
椛「あぁ~…
そうですね。
心配かけてしまったし、過保護モード炸裂してました…」
椛の言葉に目を光らせる藍子。
藍子「何?
それで?
その後、安室さんとはどうなったの?
過保護モード炸裂ってどういう事?
やっと?
やっとなの??」
先ほどよりも、椛に距離を詰めて食い気味に質問を投げかける。
椛(ははは~w
いつもの流れやっぱり来たか~…)
直ぐに返答を返さない椛に対して、ジリジリと更に距離を詰めてくる藍子。
椛は作業している手を止めて、
『まぁまぁ』とでも、
たしなめるように両手を前に出した。