第30章 ティラミスの行方
キッチンに入ると、椛は荷物を広げる。
藍子の友人達、もとい他の受講生達が来るまでに準備を終わらせる為、エプロンをつけると、すぐに準備に取り掛かる。
一緒に準備を手伝ってくれる藍子も、既にエプロンを付けて準備万端の様子だ。
椛「藍子さん、先日はスケジュール急遽変更して頂き、誠に申し訳ございませんでした。」
藍子「いえいえ!
それより、怪我の具合はどうなったの?
熱も出て大変だったんでしょ?
皆も凄い気にして心配してたよの!
パッと見はもう、いつもの椛さんにしか見えないけど…」
椛「熱は出ましたけど、2日程で引きましたし、抜糸も終わって傷も塞がりました。
しっかり養生出来たおかげです。
ありがとうございます。
ご心配おかけしてすみません。」
藍子「もう〜、大事な身体なんだから。
これからは怪我には気をつけるのよ。
それにしても本当…
元気になった様で良かったわ…」
椛「ありがとうございます。
担当してくださった先生が良い方で、物凄い綺麗に縫ってくれたんですよ!
ですので、痕もそんなに残らなそうなので…
もう大丈夫ですよ。
ご心配おかけいたしました。」
藍子「それならまだよかったけど…
貴方、無理しすぎる所があるのだから…
あまり無理はしないで、こういう時はちゃんと周りを頼りなさいね。」