第41章 親友との縁故
沖矢「それになにより、椛さんは安室君に夢中ですからね。
皆だって2人の仲よさそうな様子、見ているのでしょう?
そんな中、周囲の人間に浮気の疑惑を立てられるなんて…
そんな事、椛さんに言ったら失礼だし、流石に椛さんが可哀そうですよ。」
その言葉にハッとしたのか、子供たちは徐々に申し訳ない気持ちが湧いてきたようで…
一気にシュンと静かになる。
椛(秀一…)
光彦「…椛さん、すみません。
どうやら僕達はとっても失礼な想像と、発言をしてしまった様です。
申し訳ないです…」
歩美「歩美も…
椛お姉さんごめんなさい。」
元太「俺もごめん。」
先ほどまでのテンションは何処へやら。
完全に自分たちが悪かったと思ったのか、素直に謝罪の事を入れてくる。
椛「みんな、そんなに気に病まないで。
私は気にしてないし、こちらこそ皆に勘違いされるような態度を取っていたのね。
ごめんなさいね。」
椛の言葉を聞くと、その話は子供たちの中で完全に決着がついたのか、それ以上何か言ってくることはなく。
その後はいつもの、穏やかな会話が目的地に着くまで続いた。
高速を降り、暫く国道を走ると無事、目的地に到着する三台の車。
それぞれ車を降りると、体を伸ばす者、荷物を下ろす者。
山に囲まれた場所に立つそのクレー射撃場は、試合も行われる会場との事で、かなり規模が大きく広い。