第30章 ティラミスの行方
「ピンポーン」
立派な石畳を抜けると、もはや見慣れた立派な邸宅。
玄関扉が開くと、今日も明るく柔らかい笑みを浮かべた藍子が出迎えてくれる。
藍子「いらっしゃい、椛さん♪」
椛「藍子さん、おはようございます♪
今日もよろしくお願いします。」
藍子「おはようございます。
こちらこそ、今日もよろしくお願いします♪」
朝の挨拶を交わして、荷物を持って中に入る。
ちょうど書斎に向かうタイミングだったのか、玄関フロアを横切る康彦に声をかける。
椛「康彦さん!おはようございます!
今日もお邪魔します。」
康彦「おはようございます、椛さん。
今日も藍子の事、よろしく頼むよ。」
椛「はい、こちらこそ。
今日もお会いできることを楽しみにしてきました♪
よろしくお願いします。」
椛の言葉を聞くと、康彦は穏やかな笑みを浮かべる。
本当にこの2人は雰囲気がよく似た素敵な夫婦だなと思う。
康彦「こちらこそ。
今日はティラミスだそうで…
完成品を頂く事を楽しみにしてますよ♪」
椛「うふふ♪
期待に添える様に、皆で精進致しますね。」
流石甘いものに目がない康彦。
今日の講座を楽しみにしていたのは康彦も同じ様だ。
康彦はもちろん試食担当だが…