第29章 川品中央総合病院

　


安室「今煽るのは反則だろ…

俺は今日この後、組織の方に行かなきゃいけないんだぞ…

これ以上煽るのは後日にしてくれ…

このまま家に、
連れ込んでしまいたくなる…」



少し距離を取られて寂しさを感じたが、俯く彼の表情はほんのり赤く、何かに耐えている様な表情を浮かべていた。

その瞳はいつもより、男の色香を放っている。


椛「そんなつもりは無かったんだけど…

なんかごめん。」

彼の様子が落ち着くまで、そのまま彼の状態を見守る。

しばらく経つと落ち着いたのか、顔上げて再び目を合わせてくれた。

未だ少し欲に揺れたライトブルーの瞳がキラキラと揺らめいていて、ついつい見惚れてしまう。

次の予定がある事は分かってはいるが、このままだと椛も彼を帰したくなくなってしまう気がして、静かに声をかける。


椛「最近、組織の方、なんだか忙しそうだね…」

安室「あぁ…

ちょっと今、立て込んでいてね。」

椛「そうなんだ…。」



大体の話は、黒田や、赤井から話は入って来てはいるし、全く知らない訳では無いが…

細かい内状や最新情報までは流石に分からないし、聞いたところで、変に手出しはもちろん出来ないし…

こればかりはどうする事も出来ない。

もどかしい気持ちは拭えないが…

2人でいる時はせめて、心穏やかに過ごしてほしいと思っている。