第29章 川品中央総合病院
車を降りて、今までより広い墓所を2人並んで歩く。
伊達家の墓石はお寺の中でも随分と、奥にある様だ。
際ほど同様、掃除をして花を供えると、今まで出てこなかった物が安室のカバンから出て来た。
椛(爪楊枝…?)
爪楊枝を1本取り出して、お線香と一緒に手向ける。
椛(何か意味がきっとあるんだろうな…。)
2人で手を合わせて、目を瞑る。
椛(班長…
何でも出来る彼は、相変わらず一人で抱え込み過ぎです。
そして班長も言っていた通り、破茶滅茶も健在です。
私に出来る事は少ないかもしれないけど、力になれる事は精一杯努めたいと思ってますので、どうか見守ってて下さい。
あと…
ヒロ君も、零も『班長、班長』言うから、もうそのイメージしか無いので、班長は私の班長でも何でもないけど…
私も、これからも、『班長』と呼ぶので許してね♪)
目を開くと、ほぼ同時に目を開いたのか、お互い隣を見ると視線が重なった。
椛「また同じ報告してたの?」
安室「あぁ、そうだよ。
椛さんは? 何を伝えたんです?」
椛「『班長は私の班長では無いけど、私も班長って呼ぶからね』
と伝えました♪』