第29章 川品中央総合病院
椛「本当だ…
思っていた以上にあまり痕、残ってないですね…
あんなにグチャっとしてたのに…
先生名医ですね!!
本当にありがとうございますっ!!」
安室(グチャって…おい…
言い方w)
医師「うふふふっ♪
ありがとうございます。
全く元通りとはいかなくても、少しでも痕が残らない事に越したことは無いですからね。」
救急で運ばれたとはいえ、腕の良い先生に当たった様だ。
医師「どうですか?
ご主人も?
確認出来てご満足されました?」
安室「えぇ…
思ったより痕になってなくて…
本当に良かったです…」
傷痕を確認した安室は、随分とホッとした顔をしていた。
そんな彼の様子を、診察台の上に座りながら見上げる。
椛(やっぱり、怪我の責任感じちゃってだんだろうな…
助けてくれたのはそっちなのに…)
傷痕が残ることを正直、あまり気にして無かった怪我人本人の椛。
怪我人本人よりも、傷痕が残ることを気にしていた助けた側の安室。
安心した顔で未だ傷痕に目を向けている彼の様子を見ていると、こんなに心配をかけるなら、今後は怪我をしない様にこれまで以上に十分注意しよう、と思う彼女であった。
まぁ、今回の怪我も事故で不可抗力ではあったが…。