第28章 早く起きた朝は
彼の説明に納得はするが…
椛(黒田さんに、どんな風に言ったんだろう…
何だかむず痒いと言うか…
恥ずかしいな…
いや、けど彼の言う事はもっともだし…)
椛「黒田さん、なんて言ってたの??」
降谷「『そうか、分かった。』とだけ言っていたが?」
椛「そっか…。」
何か考え込んでいる様子の彼女を、ギュッと抱きしめる。
降谷「普通に付き合えなくて…
ごめんな…。」
椛「えっ??
何??
何でそんな事言うの?」
降谷「いや、警察組織の中でも、俺が公安じゃ無かったら、椛にしなくても良い気苦労させなくて済んだのにな、と思って…」
彼の言葉を聞いて、抱きしめている腕を少し緩めて、彼を見上げる。
彼から向けられた言葉が、自身に対しての気遣いだと言うことも、彼の優しさである事も頭では理解していた椛だったが…
その彼女の表情を見る限り、どうやら怒っているようだ。
椛「そんな事言わないでよ。
公安じゃない零なんて、『降谷零』じゃないよ。
公安である事に誇りを持ってるんでしょ?
私の事、思って言ってくれてるのは分かるけど、零の口からそんな言葉、二度と聞きたくない。」
降谷(ちゃんと怒った所、何だかんだ初めて見た気がする…)