第28章 早く起きた朝は
降谷「正解だ…。
椛はコイツらの顔を見た事あったのか?
ヒロに写真でも見せてもらってたのか?」
彼の言葉に、なんと伝えれば良いものかと、言い淀む。
椛「写真は今初めて見たよ。
けど…
見た事ないと言えば、見た事ないし…
ちょっと違うの…。」
彼女の言い回しに、少々疑問が浮かぶが…
降谷「前に、
『時が満ちて話せる時が来たら話したい事がある』
と言った事を覚えてるか?」
椛「うん、もちろん。」
降谷「明日、本当に墓参りにいくなら、その時に椛にちゃんと話したい…
コイツらの事も…
あとヒロの事も…。」
いつか、彼とこう言う話をする時が来るとは思っていた。
想像していたより早かった様な…
ここまで来るまで長かったような…
椛「うん、いいよ。
明日聞かせて。
零の話。」
降谷「分かった。じゃあ明日話そう。」
椛「うん…。」
朝の時間は刻々と過ぎていき、彼が家を出る時間が近づいてくる。
話し込んでしまった為、途中で止まった朝食の続きを頂く。
食べ終わると、二人で片付けをして、出かける準備が終わった彼と玄関まで向かう。
降谷「じゃあまた明日。」
椛「うん、ありがとう!
よろしくお願いします♪」
そう言うと、どちらともなく腕を伸ばして抱きしめ合った。