第28章 早く起きた朝は
彼女の話が面白かったのか、笑い続けている降谷と、
至って真面目な顔をして、真剣に想像を膨らませている椛。
降谷(本当にもう…
可愛い人だな…)
いまだに頭を悩ませている彼女を再び抱きしめて、耳ともで囁く。
降谷「椛も一緒に着てくれるなら、いいよ♪」
椛「ええっ!?
私に王子パジャマは合わないよw」
降谷「何で椛も王子役なんだよw
そこはどう考えても姫役だろwww」
2人の1日は、今日も愉快に幕を開けたようだ。
朝の支度をして、二人で朝食を囲む。
昨日余らせたお刺身を一晩漬けにして、彼の要望通り酢飯に乗せて頂いていた。
昨日の残りとは言え、彼のお陰で、今日は朝から随分と豪勢な朝食だ。
降谷「明日は抜糸で病院だよな?
予約は何時なんだい?」
椛「予約は10時だよ。
長かったような短かったような1週間でした♪」
降谷「今夜は遅くなるから椛の家に戻って来れないけど…
明日の朝、迎えに来るよ。
一緒に病院に行こう。」
椛「えっ?? いいの??」
降谷「あぁ、はなからそのつもりだったからな。」
椛「有難いけど…
スケジュールは大丈夫なの?」
降谷「大丈夫だよ。
それに、病院が終わったら、そのまま外でランチをして、どこか一緒に出かけないか?
夕方には戻らなければならないが…
それまでは時間をあけてある。」
椛「えっ??」
まさかの提案に驚く彼女。