第28章 早く起きた朝は
椛「いつから起きていたの?」
降谷「椛の手が、俺の顔の横に置かれた時だよ。」
椛(キスする前じゃん…
全然ダメじゃん、私…)
彼は両頬に口付けを落としても飽き足らず…
抱きしめて、彼女の首筋にも口付けを落とし始める。
降谷「まさか、君に寝込みを襲われる日が来るとはな。」
口付けは止めずに話し続ける彼の姿は、起きたばかりだというのに、随分とご機嫌な様子に見えた。
椛「全然襲えてないじゃん。
作戦失敗だよ…」
そう言う彼女は少し残念がっているのか、何だかゲームに負けた時の悔しがっている子供のように見えた。
降谷「ハハっ!
あんな可愛い起こされ方なら、毎日でもウェルカムさ。」
好き放題唇を落として満足したのか、起き上がって顔を見合わせてきた。
椛(可愛いのは、零の寝顔でしょ…)
そんな事を思うが…
確かに彼が言う通り、毎日隣で眼を覚ますこんな朝がずっと続けば良いのになと彼女も思う。
椛「寝てる時の零の姿、どこかの国の王子様みたいだったよ。
今度、王子っぽいパジャマ姿見てみたい♪」
降谷「えっ!?
何だよ王子っぽいパジャマ姿ってw」
椛「そう言われてみればなんだろう…?
シルクのツルツルのエロいやつ??」
降谷「あはははははは!!」
椛「シルクはシルクでも、トップスとパンツの2ピースタイプじゃなくて、ガウンタイプの方が王子っぽいかも…」