第6章 ミッドタウン杯戸
バックに目を向けた安室は
安室「良い色ですね♪
今日の服装にも、椛さんにも良く似合ってます。」
そう言って微笑む。
椛「ありがとうございます。
安室さんこそ、その色男性で着こなすの流石だなと思いましたよ♪」
満足そうに微笑む横顔が目に映る。
前回から思っていたが、彼と話すと初頭の会話は褒めあう系になりがちだ。
そのまま雑談をしながら目当ての商業ビル、『ミッドタウン杯戸』に向かう。
最近新しくオープンした商業施設でショッピングフロアから、各種レストラン、美術館、博物館、イベント展示スペース、映画館、舞台ホールからなる大規模な複合商業施設だ。
商業施設内の地下駐車場に車を停める。
予約をしているレストランはビルの上層階の為、レストランフロア直通のエレベーターを探し乗り込む。
地上がグングンと遠くなって行く様子をエレベーター内から眺める。
安室「椛さんは高い所は大丈夫な人ですか?」コソコソ
エレベーター内は他の乗客も居るため、小声で話しかけられた。
自然と体の距離が縮まる。
梢「特別得意では無いですが、苦手でも無いですので大丈夫ですよ。
怖く無いです。
安室さんは?」
安室「椛さんと同じ感じですかね。」
そんな話をしているとあっという間に目的のフロアにつく。
天気が良いため地上39階のレストランフロアから見る景色はとても美しい。
街並みから遥か遠くの山々までよく見える。
ガラス張りの窓から見える景色を眺めつつ、目的のレストランへ向かった。
入り口で安室は名前を告げ、予約席に通される。
窓際の景色がよく見える、店内の中でも良い席だと分かる場所に通された。