第27章 ゼロの恋人
降谷「じゃあ今日から椛は『降谷零』の恋人だからな。
もうセカンドとか言わないでくれ…」
椛「分かった…
何だか色々ごめん。」
降谷「いや、俺の方こそ惑わせるような事を言って悪かった。」
どうやら、お互いのわだかまりは解けたようだ。
椛「零?」
降谷「ん?
何だい?」
椛「私も零の事、大好きだよ。
世界中の誰よりも。」
彼の頬に手を添えて、下から覗き込む様に彼を見つめた。
彼女の言葉に嬉しそうに微笑むと、彼女の肩を抱き引き寄せて、抱きしめる。
降谷「俺も。
世界中の誰よりも。
椛の事が大好きだ。」
彼の言葉に彼女も腕を回して抱きしめ返す。
しかしソファの隣り通しで座っていると、彼女は抱きつきにくいのか、もぞもぞと動きながら、彼の脚の上を跨ぎ腰を下ろすと…
そのまま正面から抱きつき直して来た。
確かに降谷の方からも、ソファの横向きよりは抱きしめやすいし、密着度も上がり、より彼女の温もりを感じるが…
降谷「椛って、結構大胆で…
それでいて…
俺を煽るのが上手いよな…」
彼の言葉に、ギュッと首に思い切り抱きついていた腕を緩めて、彼の表情を覗き込む。
椛「…そんなつもりは無かったんだけど…
嫌だった…?」
少し不安に思ったのか、離れていこうとする彼女を抱き寄せて引き止める。