第27章 ゼロの恋人
降谷「結構、食べたな…」
椛「もうお腹いっぱい過ぎて…
食べれない…」
酢飯は普通に2人前の量だったので、食べきったが…
お刺身類はやはり、全部は食べきれずに残ってしまった。
椛「余ったお刺身は漬けにすれば明日まで持つから、明日は漬け丼にしよ~♪」
二人でご馳走様をすると、食器を重ねはじめる。
このままだと根が張ってしまうので、重い腰を上げて、空いた食器をキッチンに下げる。
降谷は洗い物、椛は余った食材の処理をそれぞれこなす。
降谷「それにしても手巻き寿司、
美味しかったな~♪」
椛「ね~!
またやろ~♪」
降谷「そうだな!」
お互い作業をしながら、顔を合わせて微笑みあう。
共に過ごす穏やかな時間に、お腹も満たされて、心も満たされる。
降谷(毎日こんな時間が続けばいいのにな…
流石にそれは…
今この俺の現状では無理か…w)
隣で並びながら作業する彼女を、横目で見る。
鼻歌が聞こえてきそうなご機嫌な様子を見ると、心が暖かくなり、穏やかな充足感に満たされる。
視線を感じたのか、彼女は作業の手をそのままに顔を上げて、彼の方に目を向けた。
目が合うと、いつものように『ニコっ』と微笑みを向ける。