第27章 ゼロの恋人
そんな彼の様子をそのまま観察していると、ゴクリと飲み込む音が聞こえた。
すると目を開き、彼女の方を向く。
降谷の様子を引き続き観察していた彼女と目が合うと、食事の最中だと言うのに急にガバっと抱きついてきた。
椛「おぉっ、今度はどうしたの?w」
取り敢えず、腕を回して抱き返す。
背中を優しくポンポンと叩くと、彼からの返答を促した。
降谷「酢飯が…」
椛(酢飯?)
椛「うん?」
降谷「酢飯が美味い…」
どうやら酢飯の味が気に入って、感動していたようだ。
椛「あはははっ!!
それはお気に召して頂き光栄ですよ♪」
彼女の言葉に腕を緩めて、少し身体を離すと…
降谷「この酢飯はなんだ?
どうやって作ってるんだ?
酢飯の時も土鍋で炊いてるんだろ?
何というか…
凄い優しい味がする…
お酢が違うのか?
塩か?
砂糖か??」
彼からどんどん出てくる質問に、思わず笑みが溢れる。
椛「ふふふっ♪
土鍋で炊いてるのは大きと思うけど、お米自体も完全無用薬だし、そもそもお米の味が良いんだよね…
その酢飯はね、梅干しを作る時に取れる、『梅酢』で作ってるんだよ。」
降谷「梅酢?」