第27章 ゼロの恋人
椛「お疲れ様〜♪」
安室「おぉ!お疲れ様。
朝よりご機嫌そうだなw」
いつもとは違う椛の一言目に反応する安室。
椛「うん!
手巻き寿司楽しみ〜♪」
電話越しでも元気そうな彼女の様子に、こちらも嬉しくなる。
安室「ははっ♪
今買い物終わって、これから向かうよ。
思っていたより早く着けそうだ。」
椛「分かった!
買い出しありがとう!
待ってるね。」
安室「リクエストの赤海老も手に入ったよ。」
椛「本当!
嬉しい!
生の海老、舌が求めてた〜♪
お米食べすぎちゃうかも…」
電話越しでも、彼女が喜んでいる姿が想像できる。
これからもうすぐ会えるというのに…
直ぐにでも飛んでいきたい気持ちになる。
人の感情とは不思議なものだ。
向かう連絡をしたら直ぐに電話を切るつもりだったが、彼女の声をそのまま聞いていたくて…
結局、彼女の家の近くの駐車場に着くまで、そのまま電話は続いた。
安室「駐車場に着いたよ。
声が響くから、切るよ。」
椛「うん、分かった。」
そしてものの数十秒すると、インターフォンが鳴った。
作業している手を止めて、オートロックを開けると、玄関に彼を出迎えに行く。
玄関扉を開けると、待ち侘びていた彼の姿。
迎え入れて扉と鍵を閉めると、どちらと共なく腕を伸ばして抱きつく。