第27章 ゼロの恋人
安室「いつも、椛に任せっきりだから、今日は家着いてから、
俺が作ろうと思ったのだが…」
その言葉を聞いて、彼の手料理も食べたい気もするが…
椛「とても嬉しいけど…
わたし今、時間有り余ってるから。
それはそれでまた、次回の楽しみにしておくよ。
何か今日、どうしても作りたいものがあるなら、話は別だけど。」
安室「そういうわけではないんだが…」
作ってあげたい気分の安室だったが…
効率を考えると確かに、今日は彼女に任せた方が妥当だと判断したのか、今回は折れることにしたようだ。
安室「分かった。
俺から誘って置いて何だが、じゃあ今日は椛にお願いするよ。」
椛「うん。
そしたら話し戻るけど、何か食べたいものある?」
安室「いや、これと言って決めてないが…
椛は今日、夕飯何にするつもりとか、何か献立の予定はあったのかい?」
椛「あぁ~…
実は、退院した後も熱出したりしてたから、ずっと生魚控えていたんだけど…
そろそろ解禁してもいいかな~と思ってて、
今夜は『一人手巻き寿司パーティー』しようと思ってました。
実はw」
電話先の彼女が、恥ずかしそうに苦笑している気がして、安室も思わず笑いがこぼれる。