第26章 束の間の休息
椛(決~めたっ!
今回はあなた達にします♪)
数枚の生地を生地棚から取り出すと、生地の用尺を確認する。
生地の用尺に合わせてどんなデザインにするか、頭の中で一気に組み立てると、作業机にロール紙を名一杯広げて、文鎮を置き固定する。
作図用の0.3シャープペンシルと方眼定規を手に持つと、2着分のパターンを一気に作図した。
椛(いや~♪
シナプスいい感じだわ~。
脳汁出てるわ~。
この痒いところに脳汁が行き届く感じ。
最高最高♪)
何も知らない人が聞いたらヤバい言葉の羅列だろうが…
彼女の心の声は誰にも聞こえる事は無い。
作図が終わると、パターン用にパターン用紙に写しかえ、カッターでカットしていく。
パターンが完成すると布を広げて、パターンと止付けてカット作業の準備をしていく。
裁ちばさみを手に持ち、裁断をしていると、スマホのコールが鳴った。
手を止めて、コール相手を確認すると、通話ボタンを押す。
椛「もしもし。」
ジョディ「ちょっと椛!!
怪我して休業中なんだって!?
シュウから聞いたわよ!どう言う事よ!?
何で言ってくれなかったのぉ!!」
電話を取ると、開口一番にまくしたてるように、思いのたけをぶちまけるジョディ。
あまりにも大きな声に、少しスマホを耳から離してジョディの話を聞く椛。
椛(あはは、今日もジョディは元気だな~♪)