第25章 コンフィデンシャルのその先に
降谷「この人参も…
昨日のキュウリとはまた浸かり方の深みが違うな。
これもぬか床に漬けただけなのかい?」
椛「そうだよ。
人参はぬか漬けにするのが人参の甘みが活かされて、美味しいよね。」
降谷「あぁ、本当に上手いな。
このオクラの味付けは?
柚子をソースに使っているのか?」
椛「それは黄柚子の季節に柚子を発酵させて、柚子麹にして保管してあるんだよ。
そうすれば、次の黄柚子の季節まで美味しくずっと頂けるんだよ。」
降谷「柑橘類も発酵させて保存できるのか…
どうやって処理して発酵させるんだ?」
奥なき探求心からか、料理についての質問が相変わらず止まらない降谷であった。
食事が終わると後片付けを彼に任せ、洗濯が終わった寝具類を干す作業をする。
傍から見ると至って普通の日常だ。
全て干し終わり、リビングに戻ってくると、彼もちょうど終わった様で、荷物をまとめている所だった。
椛「また来る時に必要な着替え類あったら、一緒に洗っておくから、置いていっていいよ?」
降谷「うーん…
そしたらお言葉に甘えて、部屋着とウェアは置いていっていいかい?」
椛「うん、いいよ。
洗って置いておく。」
降谷「ありがとう、頼むよ。」
椛「うん。
そろそろ出るんだよね?」
降谷「あぁ、そろそろ出るよ。
今日は時間が決まってるんだ。」
椛「気を付けて、行って来てね。」