第25章 コンフィデンシャルのその先に
今日の朝食はサバの味噌煮、人参のぬか漬け、オクラと柚子麹の和え物、桜エビと岩ノリのお味噌汁、そして炊き立てご飯だ。
お皿に盛り付け始めようとした所で、シャワーを浴びて外着に着替えた彼がキッチンにやってくる。
なんだかいつもと服装の雰囲気が違う。
なんと言うか、ポアロにいるときよりも大人っぽくて、夜の匂いがする感じだ。
降谷「美味しそうな匂いがする…」
キッチンに入ってくると、後ろから彼女を抱きしめて、首筋に唇を落とした。
椛「ふふふっ♪
零、くすぐったいよ。」
彼女は手を止めて振り向き、彼の様子を伺う。
椛「ご飯、盛り付け始めたところだよ。
服装なんかいつもと雰囲気違うね♪
バーボン君バージョン?」
未だ彼女の首筋に顔を埋めようとしている、彼に尋ねる。
降谷(バーボン君?
なぜに君付け?)
不思議な彼女の言い回しが気になるが、顔を上げて目を合わせると、先に彼女からの質問に答えた。
降谷「あぁ、変かい?」
椛「いや、そんなことないよ。
良く似合ってる。
それも風見さんが用意した服なの?」
降谷「あぁ、そうだ。
管理官から聞いているのか?
服に関しては風見に基本任せているんだ。」
以前、黒田から降谷の直属の部下である風見の話を聞いていた時に、忙しい降谷の代わりに買い物類もフォローしていると聞いていた椛。
『公安の部下は、上司のためにそんなことまでしなきゃいけないなんて、本当に大変だな。』
と思った事を、彼の今日の服装を見て思い出していた。