第25章 コンフィデンシャルのその先に
「ピンポーン」
オートロックのインターフォンの音がしたため、解錠する。
どうやらランニングから帰ってきたようだ。
そのまま玄関に出迎えに行く。
椛「おはよう!おかえり!」
降谷「ははっ!
おはよう!
随分と元気になったようだな!」
先程の寝起きの彼女から、大分体調も回復してきている様子を見ると安心した気持ちと、嬉しい気持ちが湧き上がってくる。
再び朝の挨拶をしながら、汗で少し濡れた髪をかき上げている彼の姿に、どうも色気を感じてしまう椛。
抱きつこうとすると、両肩を持たれて制される。
降谷「汗かいて汚いからダメ。」
椛「えぇ〜!!」
降谷「洗い流してすぐ戻ってくるよ。」
椛「…ではシャワー室へご案内いたしま~す。」
『ははッ♪』と彼は機嫌の良さそうな笑い声を出しながら、廊下を歩く。
椛「時間はまだあるの?
朝ごはんは食べる人?」
降谷「あぁ、時間はまだ大丈夫だ。
椛は?」
椛「普段は食べないんだけど、なんかカロリーを体が欲してるから食べようと思う。」
降谷「じゃあシャワー浴びたら俺が…」
椛「そしたら零がシャワー浴びてる間に準備するね~♪」
2人の会話が重なった。
後ろを振り向くと、ちょっと不満そうな顔する彼の表情が見える。
椛「大丈夫!熱も下がったし。
平熱になったから!
そしたらシャワー終わったら準備合流してくださ~い♪」
完全に納得はいって無いようだが、どちらにしろシャワーは先に浴びたいし、ここで言い争ってもしょうがないといった表情で、浴室に入って行った。