第25章 コンフィデンシャルのその先に
降谷「ははっ!
なんか演歌歌手みたいなフレーズだなw」
冗談に対する返しも相変わらずスマートだ。
掛け布団を開けて『こっちこっち』と手招きすると、素直にベットに近づいてくる。
椛「傷口上にしたいから、私こっち側でもいい?」
降谷「あぁ、もちろん。」
そう言って先にベットに寝転ぶと、腕を出してきた。
素直に出された腕に頭を乗せ、横になる。
見上げると彼もこちらを見ており、お互いの目が合う。
横向きになり、肩口に顔を寄せると彼の体温が近くなり、とても心地よい。
距離が近くなると更に抱き寄せられる。
空いている手を伸ばすと指を絡めてくれる。
そんな彼の仕草がとても愛おしい。
そしてお風呂上がりのいい匂いがした。
椛「同じシャンプーの匂いがする…」
降谷「あぁ、そうだな。」
その言葉に彼女の頭に顔を寄せて、髪を嗅いでる様だ。
椛「今日も来てくれてありがとう。
零。」
降谷「あぁ。
今日も会えて良かった。」
椛「うん、おやすみなさい。」
降谷「おやすみ。」
おやすみの挨拶を交わすと、額に唇を落とす降谷。
彼が隣にいると、ドキドキして中々眠れないかと思ったが、安心感の方が強かったのか…
まだ復活しない体調のせいなのか…
そのまま静かに睡魔に襲われる。
降谷も徹夜明けだった為か…
隣に感じる体温に安心した為か…
恐らく両方だろう。
スッと眠りについた彼女を見届け、そのまま降谷も眠りについた。