第25章 コンフィデンシャルのその先に
少し驚いた顔をした彼と目が合う。
降谷「…いいのか?」
椛「私は構わないよ。
そっちの方が零が楽なら。」
彼はどうやら、少し考える素振りをしている。
いつも車のトランクに、何かカバンや紙袋がいくつか入っているのを見かけていたので、常に何があっても対応できる様に荷物を積んであるのかと思い、話を投げかけてみたが…
どうやらそれ自体はビンゴだったようだ。
椛(着替えの問題じゃないのか?
仕事はもう無いと言ってたけど…
まぁ、仕事なんてやろうと思えばいくらでも出てくるし…
昨日は
『出来る事ならこのままここに残りたい』
と言ってたから、話を振ってみたのだけど…
何か変なこと言ったかな?)
悩む理由がそれでは無いなら、残る答えは一つだと思い…
椛「嫌なら無理にとは言わないし。
それに大丈夫!
流石に私、この身体の状態で手出したりはしないから!」
まさかの彼女からの発言に、ギョッとした表情を一度浮かべると…
降谷「いやいや、嫌な訳ないだろ!
それにそれは普通…
男のセリフだろっw」
慌てて言葉を被せられる。
後半は若干呆れている様な言い回しだった。
椛「ごめんごめんw
そんなに力いっぱい言わなくても…
ふふふふっw
零の事、ちゃんと信用してるよ?」
降谷「ったくもう〜…
怪我が治ったら覚悟しておけよ…」ゴニョゴニョ
なんかちょっと拗ねながら、小声で何かを呟いている。