第25章 コンフィデンシャルのその先に
椛「えっ??
私はクビですか?
もう必要ないですか?」
少し慌てる様に言う椛に、黒田も驚くが…
黒田「必要ない事はないが…
事件に巻き込まれて、こんな怪我までして…
まだ続ける気か?
怖くはないのか?」
黒田は普段からあまり感情が表情には出ないが、彼女の講座の受講生として知り合ってからはもうだいぶ経つ。
今の黒田は、
『自分の事を酷く心配しているんだろうな』と表情からも伝わってきた。
『有難いな』と思いつつ…
少し間を置き、黒田に向かって軽く微笑み、声をかけた。
椛「協力者を引き受けた時に、これから何が起きても、受け入れる覚悟を決めました。
もし、もう必要ないと黒田さんが判断したなら、もちろんそれに従います。
黒田さんや安室さん程じゃないかもしれないけど、私もこの国が好きです。
この国を守るために私で出来ることがあるなら、尽力したい。
今でもそう思っています。」
黒田「…」
黙って耳を傾ける黒田に、彼女は続けて言葉を紡ぐ。
椛「『諸伏景光』の件も…
もちろん協力者を引き受けた事の要因ではありましたが、彼の事がもしも無かったとしても…
基本的に、前者の思いは変わりません。
それに、おこがましいかもしれないですが…
出来れば降谷君が、
『安室透』の今の任務を終えるまで、見届けたいと思っています。」