第25章 コンフィデンシャルのその先に
黒田のまさかの言葉に流石に驚く。
今まで、彼に正体がバレないよう、精一杯努めてきたつもりだった。
いつかは分かることだったとはいえ、こんな形で彼に知られるとは…
何だか少し悔しい様な、寂しい様な…
何とも表現し難い複雑な感情が、胸の中を取り巻く。
彼女は軽く息を吐き出すと…
椛「そうでしたか…
こんな形でバレてしまって、すみません。」
黒田「いや、いつかは分かる事だった。
それに、思っていた以上にここまで来るのに時間がかかった。
初めは降谷に付いてから、1〜2週間持てば良いと思ってたんでな。
もう十分だ。
君がうまくやっていてくれたおかげだよ。」
椛(えっ??
1〜2週間??
短っ!!!
その為だけに、あんなに前々から射撃の訓練、付けてくれてたのか…)
思わぬ黒田の心の内を聞き、驚きを隠せないが…
その後の彼の様子も気になる。
椛「いえ。
それで彼はなんて??」
黒田「君を巻き込んで、ケガをさせたこと、気にしている。」
椛「あぁ、そうですよね…
目に浮かびます…
むしろ助けてくれた側なのにな…
責任感じちゃってるだろうな…」
黒田「巻き込んでしまったのは、私の責任だ。
君の望むことは可能な限り、要望を受けたいと思っている。
協力者としての立場を解除するなら、証人保護プログラムの申請ももちろん可能だ。」
まさかの『証人保護プログラムの申請』と言われて、彼女は思わず待ったをかける。