第25章 コンフィデンシャルのその先に
〜それから数時間後、お昼前時〜
「トントン」
軽くノックされるドア。
数時間前に目が覚めた椛は、ぼーっと窓から見える青空に目を向けていたが、ノックの音と共に視線を入り口に向けて返事をした。
椛「はい、どうぞ。」
スライドドアがゆっくりと開き、入ってきた人物を確認する。
椛「黒田さん…」
黒田「目が覚めたようだな。」
黒田の姿を確認して、彼女はベットから起きあがろうとする。
だが黒田は、起き上がろうとする彼女を制した。
黒田「そのままでいい、無理はするな。」
椛「…ありがとうございます。
ではお言葉に甘えて。」
ベットから起きあがろうしたものの、黒田の言葉に甘えて、再度ベットに身体を沈める。
黒田はベット脇の簡易椅子に、静かに座り込んだ。
黒田「かなり痛むだろう。」
椛「今は痛み止めが効いているのか、そんなに辛くは無いです。
頭はハッキリしてますし。
ご心配をおかけし申し訳ございません。」
黒田「いや、君は謝るような事は一つもしていない。
元はと言えば、公安案件に巻き込んだこちらの責任だ。
本当にすまない。」
そう言って頭を下げる黒田。
椛「いえ、それこそ黒田さんが謝る様な事ではないです。
頭を上げて下さい。
協力者を引き受けると、私が自分で決めたことです。
それに怪我を負った事は私の不注意と、力量不足です。」
彼女の言葉にゆっくりと顔を上げると…
黒田「昨晩、まだ君が眠っている時に、ここで降谷と鉢合わせた。
その時、椛さんの正体を降谷に話したよ。」
椛「えっ?」