第25章 コンフィデンシャルのその先に
降谷「はぁ…
そんなことは重々分かってる。」
静かに再び椅子に座り、未だ眠る彼女の様子を伺う。
点滴に繋がれた腕も未だ血色が戻らず、青白いままだ。
手を伸ばし、その青白い左手に自身の右手を重ねる。
彼女の手が、いつもの様な温かみが無い事を実感すると、何とも言えない切ない思いが湧き出てきて、降谷の心を締め付けた。
降谷(君は本当にどうして、無茶ばかりするんだ…
いや、俺の力不足故巻き込んだ。
俺の責任か…
君を見てると大切な仲間達を思い出すよ。
あいつらも本当に、いつも無茶ばかりだったな…
こんな怪我をさせてしまって…
俺はヒロに怒られるな…)
今は亡き大切な仲間達を思い出すと、先ほど黒田に向けていた表情よりも、少し緩くなる。
降谷「俺はこれから一度署に戻るよ。
日付が変わって、落ち着いた頃にまた来る。
これから君に、話したいことが沢山あるんだ。」
彼女に向けて柔らかく微笑み、重ねていた彼女の左手を取ると、そのまま唇を落とす。
そして静かに椅子から立ち上がると、降谷も部屋を後にした。