第25章 コンフィデンシャルのその先に
ひとまず聞かれた事に答えるが、1番気になっている事を自身の上司に投げかける。
降谷「…ところで、何故管理官がここに?
椛さんとはどのようなご関係ですか?
流石に、この気に及んで身内とかではないですよね?
訳を聞かせてください。」
降谷は少し怒りを含んだ厳しい目に変わり、ベットに横たわる彼女を挟んで向かいに座る黒田に目線を向ける。
黒田「どう言った関係か…
もうそろそろお前なら、あらかた見抜いてると思ってたがな…」
黒田の事を、先程から変わらない表情で見つめる降谷。
降谷「…1番始めは、私を監視に来た、組織の人間かと思いました。
そのうち、FBIの関係者か、外部の工作員か何かだと思いましたが…
今はこちら側の…
『警察側の人間』だと思ってました。
その先のゴールまではまだ、残念ながら至っていなかったですが。」
黒田「そうか…。」
二人の間に静かな沈黙が落ちる。
降谷の話を、表情を変えずに耳を傾けていた黒田が口を開いた。
黒田「『組織の探り屋』まで上り詰めたお前を、今日まで正体がバレずに持たせられたのは、彼女の力量だな。
正直、1〜2週間持てば良い方だと、思っていたんだが。」
黒田の言葉に降谷は何も返さない。
そのまま話の続きを待っているのだろう。
暫しの沈黙の後、黒田は再度口を開く。
黒田「彼女は…
公安の…
私直属の協力者だ。」
1番欲しかった答えを聞いても、降谷は相変わらず厳しい目で表情を変えなかった。