第25章 コンフィデンシャルのその先に
面会時間終了直後…
夜の病院内を急足で暗い廊下を進む、1つの影。
目的の部屋を見つけると、
『この時間にはもう、誰もいないだろう。』と思いつつ、そのまま入るのは憚られ、控えめに扉をノックした。
「トントン」
「どうぞ。」
中から予想してなかった、明らかに男であろう声の返事が聞こえた。
少し困惑しつつも、ゆっくりと扉をスライドさせ開ける。
部屋の中に目を向けると、部屋の電気は付けず、月明かりのみが照らす部屋の中には、ベット脇の簡易椅子に座る、体格の良い男の姿が目に入った。
黒田「来たか。」
降谷「!?
管理官??
何故ここに…」
黒田「思ったより早かったな。」
ベット脇の椅子に座る自身の上司の姿に驚きつつも、ベットに近づく。
ベットに横たわり眠る、彼女の顔を覗き込んだ。
ただでさえ怪我をして、あれだけ出血した身体だ。
普段は美しい月明かりだが、今夜は血の気がない彼女の肌の色を、余計に青白く染めている。
いつも見慣れている彼女の肌色と、大分異なる肌の白さを見て、降谷は表情を顰める。
黒田「処置は無事終わってる。
救急車の中で意識を失ってから、まだ一度も目を覚ましていないそうだ。」
降谷「そうですか…」
眠ってはいるものの、処置は無事に終わっていると聞いて、取り敢えず少しホッとする。
降谷(あれだけ出血して衰弱してたんだ…無理もない…)
黒田に促された簡易椅子に、降谷も座った。
黒田「お前は?
大きな怪我は無いと聞いていたが…
処置は終わっているのか?」
降谷「えぇ、私は大した事ないです。」