第24章 アクアパーク川品
寸でのところで避けるが、飛び出ていた鉄筋が引っかかり、コンクリートの塊と共にそのまま引き摺られる様に、彼女も再び水中に沈んでいく。
椛(うそでしょ…
痛っ!!)
落ちてきたコンクリートに、足を挟まれながら、どんどんと沈んで行くことに、流石に恐怖心が芽生える。
椛(お願い…
早く外れて…)
身体をよじりながら、挟まれた足を抜こうとするが、中々外れない。
そのまま底までたどり着くと、コンクリートが底についた時の衝撃で足は外れるが……
椛(まずい…
もう息が…)
安室「ぶはっ!」
水面に顔を出した安室は辺りを見回して、共に落ちたの彼女の姿を探す。
安室「椛さん!!」
声を上げて彼女の姿を探すが、見当たらない。
安室(まだ水中か!?)
水中に顔を付けて目を開くと、大きなコンクリートの塊と共に沈んで行く彼女の姿を捉える。
安室(くそっ!)
一度水面に顔を上げて大きく息を吸い込むと、未だ落ちてくるコンクリートの塊を掴み、彼女のもとへ急ぎ泳ぐ。
安室が彼女に向かって泳いでいる途中で、彼女の足がコンクリートの隙間から外れる所が目に入ったが、もう息が持たないのか、耐えていた息を吐き出すと、そのまま力なく水中に身体を委ねる。