第24章 アクアパーク川品
切れて飛ばされてきた縄梯子を、銃を握っていない左手を伸ばし、キャッチする。
銃弾を続け様に撃ちつけられて、ひび割れたコンクリートの床から、適当なサイズのかけらを1つ拾うと、縄の端にそのかけらを急ぎ巻きつけて結ぶ。
その端を重心として、まるでカーボーイの様に何周か縄を振り回すと、未だ10m程の低い位置にいるヘリコプター後部の、テールローターに向けて一気に投げつけた。
椛「せーのっ!!」
彼女が投げたロープは吸い込まれる様にテールローターに巻き込み、そのままローターは音を立てて一気に分解され崩れていく。
バランスを崩したヘリコプターはそのまま屋上床に打ち付けるように、クラッシュした。
椛「安室さん!!」
数えきれない程の銃弾が撃ち込まれた跡が残る地面を走り抜けると、両手足を床について肩で息をし、今にも崩れ落ちそうな安室の元へ辿り着き、彼の身体を支える。
銃弾が貫通している様な傷はないが、流石に全ては避けきれなかったのか、あちこち弾が掠った後が、両手足と頬に見られた。
椛「安室さん!怪我は!?
大丈夫ですか!?」
彼の左腕を自身の肩にかけて、身体を支えながら、大きな怪我がないか確認する。
安室「ふふふふっ…」
椛「??」
安室「全く本当に…
貴方って人は…」
そう言うと首を垂れていた顔を上げて、直ぐ真横にある彼女の顔を覗き込んだ。
目が合うと、こんな時だと言うのに安室は力なく笑っていた。