第24章 アクアパーク川品
ニタニタと怪しい笑みを向けながら、起爆スイッチを持った手を高く上に上げる。
男「イケぇ!!」
掛け声と共にスイッチを押した。
男「あっ??なんでだ??
何故爆発しないっ!!」
カチッカチッと、何度もボタンを押すが、特に周囲に変化は見られないし、もちろん何かが爆発する音も聞こえてはこない。
そんな男の様子を黙って見守る安室。
男「クソっ!!シクッたか!!
でもまだもう一つある!
とびきりデカいのがな!!
側にあるプロパンに引火はしなくても、どっちみち一気に吹き飛ぶぞ!!」
更に胸元のポケットからもう一つの起爆装置を取り出して、興奮冷めやらぬまま直ぐにスイッチを押した。
男「なっ!?そんな筈は!?
どーゆー事だ!?」
先程同様、何度もスイッチを押すが、カチッカチッと言うばかりで、何も爆発は起きない。
安室(間に合ったか…
流石だな…
松田も生きてたら…
驚くだろうな。)
無事でいるであろう彼女の姿が、脳内に浮かび、一先ずホッとする。
安室(早くコイツとケリをつけて、彼女の元へ急ぎたい。
これからまだ、話したい事が沢山あるんだ…。)
安室「さぁ、そろそろ良い加減終いだ。
手を挙げて膝をつけ。
でなければ撃つぞ。」
爆弾が爆発しなかった事に怒り浸透の様子だ。
スイッチを両手に握りしめて、ワナワナと震えている。
男「お前!!
俺の爆弾に何かしやがったな!!
仲間を連れていやがったのか!!」
安室「『仲間』か…
合っているようで…
だがしかし…
少しニュアンスが違うな。」
男「何を言ってやがる…」
男を見据えながら、安室は口角を緩やかに上げる。
安室「彼女は僕の…
世界で1番大切な…
たった一つの宝物さっ!」
男「てめぇ…」