第24章 アクアパーク川品
最初は疑念しかなかったが、今は彼女に対して確固たる信頼が芽生えている事を、本人は自覚しているのだろうか。
安室の中でも何か、数多くの心境の変化があったのだろう。
安室(それにしても…
惚れた女性をあんな所に1人残して行くなんて…
俺も大概だな……)
視線はそのままに、自身の心内を思うと、思わず苦笑してしまう。
男「投降はしない。
俺は、まだまだ作ってみたい爆弾のアイディアが沢山あるんだ。」
安室「どういう事だ?」
男「俺の趣味は爆弾作りなんだ。
色々な種類の爆弾を作って来たし、これからもまだ作りたいものが沢山ある。」
安室「随分とイカれた趣味だな…
理解に苦しむ。」
男「オメーの様な若造に、なんて言われようとかまわねーよ。」
安室「その爆発に巻き込まれた人達の事は、考えないのか?」
男「そんなの、たまたまそこにいた奴らが悪いのさ。
人はいつか死ぬ。
それが奴らの寿命だったと言うだけの事だろ。」
安室「根っからの悪党だな…
反吐が出る。」
男「それに俺は精魂込めて作った爆弾が、爆発する瞬間を見る事が好きなのさ。
さっきのやつは、元々の予定より、さらに派手に爆発させようと現場で作業途中だったが…
まぁ、爆弾の起爆の設定自体は終わっているから問題ない。
まずは最初に仕込んだ奴からだ…。」
そう言うと、懐から何やら起爆スイッチの様なものを取り出す男。
そして、手に持ち安室にもよく見える様に前に突き出す。
男「意外だな。
これを押すと爆弾がドカンだぞ!
止めないのか?」
安室「…やれるものならやってみろ。
それに、爆発したらお前も爆発の巻き添えを喰らうぞ!」
男「俺は爆弾に愛されている男だからな。
そーゆーので死ぬ事はないんだよ。」
安室「もはや、お前はもう何を言っているか分からんな…。」