第24章 アクアパーク川品
電話が切れると同時に、ガスボンベの配線を外す作業が終わる。
ボストンバックの前まで戻ってきて、再び先程と同じように腰を下ろした。
椛(それにしてもこの短期間で、私3つめなんですけど…
爆弾見るの…
安室さんの日常ヤバすぎでしょ。
と言うか、安室さんに限らず、公安の人はいつもこんな事、日常的にしてるの?
もう、警察庁と警視庁の方角に足を向けて眠れないな…w
日本の平和をいつも守って頂き、ありがとうございます。)
心の中の問答が終わると目をつぶり、深く息を吸い込む。
そして長く細く息を吐き出すと、目を開いて爆弾と向き合う。
椛(絶対綺麗に解体するからね。
大丈夫、私は出来る。
落ち着いてやれば絶対大丈夫。)
自分に深く言い聞かせると、先ほど男がそのまま置いていった工具を手に持ち、解体を始めた。
かたや、こちらは男を追って屋上まで上がって来た安室。
男は、ヘリポートになっている屋上の中央にたどり着くと、逃げ切れないと観念したのか、安室に向き直る。
15mほど距離を空けて、二人は向かい合う。
安室の片手には先ほど男から奪った銃。
男に向けて真っ直ぐに構える。
安室「鬼ごっこは終わりだ。
大人しく投降しろ。」
安室(なるべく時間を稼げ。
彼女が作業できる時間を、少しでも引き伸ばすんだ。
きっと彼女なら解体してくれる…)
出会ってから、共に過ごした時間は短いかも知れないが、
今まで見て来た彼女の様子なら、あの爆弾なら対応できると踏んだのだろう。
思い返すと短い様で、色々な事があった。