第24章 アクアパーク川品
男「ちっ。」
一連の動きを、棚の陰から見ていた椛は…
椛(何!?今の技!!凄っ!!
めっちゃカッコよ!!
私もやりたい…)
棚の陰から、安室の様子に見惚れていた様だ。
そのまま、2人は格闘戦をしながら部屋の中を移動していく。
彼女はその格闘戦を横目に見つつ、男の視界に入らない様、隠れるように移動する。
男は途中で技をかけることを一旦止めると、そのまま一気に走り出し、部屋の入り口から飛び出していった。
安室も男の後を追って、部屋を走り出ていく。
2人が出て行った事により、部屋の中に静寂が戻る。
再びモーター音と水の音が響く部屋の中で、先ほどまで男が作業していた場所まで彼女は戻る。
椛(私の予想が正しければ多分…
安室さんがあの男に対して、自分1人しかいない様に見せかけて、私をこの部屋に残るように仕向けたのは…
男をこの部屋から立ち退かせ、『この子の処理』を私に任せるためだったからだと思ったけど、、、
私、自分の事、買い被りすぎかな…w)
先ほどまで、男がしゃがんで作業していた場所に、彼女は腰を据えた。
そこには段ボールの中に入った黒いボストンバック。
その黒いボストンバックの中には、鞄の中いっぱいに爆発燃料が入った爆弾が堂々と鎮座していた。
椛(デジタル板がついてるってことは一応タイマー式か…
まだタイマーの起動はしていないみたいだけど…
組み立ては終わってるな…
あの人はここで、何を一生懸命に作業してたのだろう…?)
タイマーの起動はしてないとはいえ、いつ遠隔で起動されるか分からない。
急ぎ、作業の状態を確認していく。