第19章 東都ビックサイト
安室「そうでしたか。
ではあの後はまっすぐ家に帰られたのですか?」
椛「えぇ、帰りましたよ。」
安室「それは良かったです。」
一先ず彼女が無事に元気そうで安心する。
椛「安室さんは?
今から帰りですか?
運転中の音がしますが。」
安室「えぇ、そうですよ。
これから家に帰ります。」
安室(本当は今日、もう家に帰れるかは分からないがな、、、。)
椛「そうですか…
それは遅くまでお疲れ様です。」
安室「ありがとうございます。」
ここでどちらともなく間が空いた。
そんな中、再び安室が口を開く。
安室「椛さん。」
椛「はい。」
安室「しばらく僕の方は、これから忙しくなるのですが…
また、電話してもいいですか?」
先ほど、彼女はまっすぐ家に帰ってきた後、直ぐにパソコンに向き合い、一時間程かけて今日の報告書を作成し、黒田に送信していた。
報告書の内容を確認した黒田から直ぐに電話が来ていて、一時間ほど前まで話をしていた所だった。
今日の事はどうやら、犯人グループが計画していた連続爆破事件の1回目に過ぎなかったこと。
今回は安室と椛がたまたま現場に運よく居合わせた為、爆発からの難を逃れたが、これからも事件が続く可能性があるから、十分注意するよう指示を受けたばかりだった。
ちなみに、彼女が犯人から銃を拝借して発砲した件は、状況を踏まえた結果、今回はお咎め無しとのことだった。
しばらく、今回の件で彼は公安として対応に当たるのだろうと容易に想像できる。