第19章 東都ビックサイト
安室はしゃがみ込み、中を確認すると先ほどは入って無かったタイマーが、男の言う通り作動していた。
残り18分程をカウントしている。
安室(残り時間18分か。
2個あると言っていた…
1つあたりにかけられる解体の時間は、10分も無いな…。)
隣でその様子を見ていた彼女は
椛「さっきあの人、2つそれぞれって言ってましたよね?
もう一個、私行きますよ。
あの対岸の通路に見えてる赤い光が、きっとそうですよね。」
彼女は、もう一つの仕掛けられている爆弾であろう、ここから見える赤い光を指差した。
彼女の言葉に怪訝な顔を向ける安室だったが、
椛「それと同じタイプなら大丈夫です。
時間が無いし、急ぎましょう!」
そう言って、立ちあがろうとする彼女の手を掴む。
安室「…僕があちらに移動しますので。
椛さんはこちらをお願いします。」
他にも何か、物凄く色々言いたそうな顔をしていたが、今は迷ってる時間はない。
椛「分かりました。
大丈夫です。必ずやり遂げますから♪」
彼女は拳を作って安室の前に差し出した。
安室は彼女の意図を理解すると、自身も拳を作りそのまま彼女の拳にグータッチをする。
それを確認すると、こんな時でも彼女は、嬉しそうに柔らかく微笑み…
椛「では始めます!」
そう言って爆弾に向き合い始めた。
その様子は何故か、少しだけ楽しそうに見える。
安室(本当にもう〜…
この人は…)
彼女のその姿を確認すると、思わず心が和み、苦笑して彼女を見つめる。