第19章 東都ビックサイト
安室「…どうして貴方がここに居るのですか?」
そう言う安室の声はいつもより幾分低く、機嫌が悪い様に聞こえる。
椛「安室さんが
『ちょっと用事を思い出した』
と言って駆けて行く時は、何かしら事件が起きている時だと、今までの経験から学んだので。」
彼女の手元を見ると、先程発砲したであろう銃が見える。
下の部屋で、先程拘束した男が使っていた物だと分かる。
安室(ここに上がってくる前に、拝借してから上がってきたのか…)
梯子の所まで来ると、安室は梯子を使わずに一気に1フロア分を飛び降りる。
続けて、迷いなく飛び降りてきた彼女を抱き止めると、未だ気絶したままの男の横を通りすぎ、部屋を抜けて廊下に出る。
先程確認した爆弾までの道を急ぐ。
安室「だからって、追いかけてこなくても良いでしょう…」
椛「安室さんはスーパーだけど、1人よりも2人の方が出来ること、多いと思って。」
彼女の言葉に、分かりやすく大きなため息をついた。
安室「はぁぁ〜…
…言いたい事は山程ありますが、全部終わってからにします。」
椛「そうですね、そうしましょう。」
元来た道を戻り、先程確認した柱と柱の間に設置してある爆弾の元に戻ってくる。