第19章 東都ビックサイト
安室「…爆弾は幾つ仕掛けた?」
男2「2つだ。
だがそれを聞いても今更遅い。
ここに起動スイッチがある。
俺の好きなタイミングで起動できるからな。
今直ぐに爆発させる事もできる。」
そう言って起動スイッチを取り出そうと、安室に視線離さず、銃は構えたまま、空いている左手で、上着の裏胸ポケットに手を入れてスマホを取り出した。
そして男の目が一瞬、スマホに向けられた瞬間…
「バン!!」
男2「何っ!?」
目の前の安室からでは無く、別の角度から銃弾が飛んできたことに酷く驚く男。
男の斜め横方向から飛んできた銃弾が、銃を構えていた男の右手に当たり、銃が放物線を描きながら男の手から離れる。
その瞬間を逃さず、安室は一気に間合いを詰めて、男を拘束した。
そして男が取り出したスマホに向けて安室は一発銃弾を入れて、起動できない様、スマホを壊す。
男2「テメェ…
もう1人、仲間を連れていやがったか…」
男は拘束されたまま、銃弾が飛んできた方向に目線を向ける。
先程男と安室が登ってきた梯子から、銃を構えた腕と、顔だけ出している椛の姿が、2人の目に映った。
安室(あの距離を正確に狙撃したのか…。)
安室が男を拘束している様子を確認すると、ハシゴを登り切りこちらに駆けてくる。