第19章 東都ビックサイト
少し先に、先程のリュックを背負った男の姿を見つけて、すぐさま男の足にむけて発砲する。
その銃弾は男のふくらはぎに当たり、そのまま倒れ込むが、上体を起こして銃を取り出すと、安室に向けて一気に発砲してきた。
安室はその様子を確認すると、体勢を低くして、屋上に設置してある室外機に身を隠しながら、男に近づく。
続け様に発砲してくる男の銃弾の数を数えながら、タイミングを見計らう。
直ぐに男が持つ銃から「カチッ、カチッ」と空弾の音が聞こえると、制圧する為、身を隠していた室外機から顔を上げる。
男は銃を持っていない左手から、安室に向かって何かを投げてきた。
安室(!?手榴弾!?)
急ぎ身を隠すが、周辺にある室外機が爆発で一気に吹き飛び、直接の爆発からは逃れたものの爆風に当てられてた為、綺麗に受け身を取り、体勢を整える。
爆発で起きた煙が舞い上がり、お互いの姿が確認できない。
その間に、新しい銃弾を補充する男。
煙が風で流れて辺りの景色が元の様に広がってくると、15m程離れた距離で、銃を突きつけ合う2人の姿。
安室「爆弾を解除しろ。
ここにいる人達は、なんの関係もないだろ。」
男2「そんな事、俺らには関係ないね。
たまたま、偶然居合わせた奴らが悪いのさ。」
安室「そのまま爆発させたら、下で寝ているお前のツレも巻き込まれるぞ。
それに、お前ももうその足では1人で逃げきれまい。」
男2「そんなの、潰されたアイツが悪いのさ。
どーでもいいね。
それに俺も覚悟の上さ。」