第19章 東都ビックサイト
彼が急に女性の名前を呼んだものだから、周りにいたコンパニオンのお姉様方も、一斉に彼女の方に目を向ける。
椛(うっ、コンパニオンのお姉様方の視線が痛いです…)
そのまま、人だかりから抜けて彼女の元へやってきた。
更に、女性達からの視線を感じる。
安室「お待たせしてすみません!」
椛「いえ、私が先に終わっただけなので。
それより…
凄い量ですね、その紙袋…」
彼の手元に目線を向けて、言葉を発する。
安室「あはは〜。
なんかどんどん渡されるので、断れなくて仕方がなく…
いやぁ〜!
参りましたよ。」
先程は遠巻きに見ていたので、ちゃんと見えて無かったが、増えた紙袋が邪魔だったのか、大きめの袋にいくつかの企業分を既に、まとめてあった様なので、想像していた以上にサンプルをもらっていた様だ。
その姿に想わず笑いが溢れる。
椛「ふふふっ♪
良さそうな所はありましたか?」
安室「えぇ!
いくつか気に入ったものを、実際購入もしたので。
今度ポアロ出勤の時に、こちらを使って試作を作ってみようと思います♪」
そう言って彼女に笑顔を向けた。
どうやら目的は無事、達成していた様だった。
椛「そうですか、それならよかったです♪
ポアロのメニューが更に充実しそうですね。」
安室「えぇ、お陰様で♪
椛さんはどうでしたか?」
椛「えぇ、幾つか目ぼしい所と商談してきました。
今回も良いご縁がありそうです。」