第19章 東都ビックサイト
安室「そうでしたか。それはよかった♪
ではこれでお互い、任務完了ですかね。
そろそろランチの時間帯ですよね?
どこか食べに行きます?」
椛「そうですね、沢山話して歩いてお腹空きましたw」
安室「あはは!僕もです。
何食べましょうか〜♪」
ランチに向かう為、2人会話をしながら、会場の出口に向かって歩いていると、ふと安室が斜め上を見上げた。
その様子に気づき、彼女も安室の目線の先に目をやる。
高い天井にある、照明を点検する作業用通路だろうか?
何かキラッと一瞬光るものが見えた気がした。
椛(なんだろう?)
彼女は安室の方に目を向けると、彼はそのままぐるっと作業用通路を見渡していた。
先程まで笑顔を向けていたその表情は、気持ち険しいものに変わっている様に見える。
安室「椛さん、すみません…
僕は少し用事を思い出したので…
ここで失礼します。」
椛(えっ?)
そう言って、一度彼女の方を見ると
安室「お送り出来ずに申し訳ないですが。
必ず、安全に自宅まで帰ってくださいね。」
一度、いつも見せる優しい笑みを彼女に向けると、すぐさま身体を返して、そのまま人混みの中に入っていった。
椛「安室さん!!」
声をかけるが、彼は振り向かずに、そのまま走って人混みの中に消えていった。
椛(あぁ〜もうっ!!!!
いつも本当にアレで、誤魔化せてると思ってるのかしら!!)
心の中で軽く、悪態をつく彼女であった。